ハルキゲニアの名称の由来
およそ5億5千万年前、地上には生物がいなかった時代に、海の中では、進化の大爆発、生命の実験場などといわれるほど多様な動物が一度に生まれた。生物はツメ、殻、脚、牙などの堅く機能的な器官を手に入れ、生存競争のために、現在の生物には見られない多様なデザインが自然によって試された。その一つであるハルキゲニアは、化石発見者が思わず「幻覚」と名付けたほどの不思議なかたちの生物。進化の大爆発の結果、生き残って私たちの祖先となった生物は一握りであり、ハルキゲニアをはじめ、その多くは滅びたが、そこで多様な実験が行われたからこそ今日の生物の原型が生まれたと言える。我々の実験的なデザインが進化の起爆剤となることを、そしてひょっとしたら未来の乗り物の原型になってくれることを夢見て、プロジェクトをハルキゲニアと命名した。